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コラム:ジェイミーの楽しさ
2024-01-10


ストリートファイター6のジェイミーがアツい。
どこがアツく、そして楽しいのかというと高揚感です。

 この高揚感というのは例えば麻雀をしている時、難しい局面になって容易に手を決められなくなればなるほど思考が加速し、その勝負に没頭してしまう、そんなような。

 あるいはリズムゲームで思わず笑ってしまうような高密度、高難易度の譜面を全力で遊ぶ時のような、そういった高揚感です。ジェイミーはそれにつながる要素を多くもっていると勝手に思っています。


 ジェイミーは波動拳などの飛び道具がなく、殴るか蹴るかしかできない哀れなキャラクターです。なので、大半のキャラクターに対して状況は基本的に相手有利です。

 しかも酔拳モチーフのキャラなので、敵の隙をついて飲酒し「酒ゲージ」を上げなければ開放されない技が多数あります。酒レベル0だと本当に手も足も出ません。実際弱っちいです。

 しかし苦労して酒ゲージを上げると、相手の遠距離攻撃をすり抜けられたり、ジャンプ攻撃の軌道変化、コマンド投げ等を使用できるようになり、非常に攻め手が豊富になります。まるでコイツにだけMMOのような転職機能があるかのようです。

 嬉しい反面、頑張ってゲージを上げきったあとも、今度は増えた手札がプレイヤーを苛みます。それはそれで考えることが増え、頭はパニック。最初から最後まで脳をフル回転!

 それだけでなく極めつけに、なんとラウンドが終了するとシラフに戻ります。また組み立て直し!!何だよコイツ。


 ただ待っていても酒0では殴り負けるだけ。ゲームスタート時点からどうすれば技を刺せるのか、酒を飲めるのかを考える必要があります。

 ときには相手を舐め腐ったように突進技をぶっ放したり、その場で不意に酒を飲んだり…。なんとかして3本以上飲めたらこっちのターン。4本!魅せるぜぇ~~!!

 気がついたら一戦はあっと言う間に終わっています。ビートマニアとか、ああいうゲームもなれるに連れて鍵盤数の多い方へと流れていきますが、そういった魅力があります。


 対戦ゲーなので当然、勝てば嬉しく負ければ悔しいのですが、そういったベクトルとは別でもういっぱいいっぱいになれちゃう(ミッション遂行と攻略自体の楽しさどちらも併せ持つ)、そんな素敵なキャラクターなんです。

 例えばあなたがゲイのサディストならケンを使うと良いと思いますし、ご奉仕メイドなら相手に課題を与え続けるガイルを。勝ち負けしか感度がない貧困な人間ならJPやエドモンド本田などが良いかもしれません。が、ゲームとして楽しいのはジェイミーじゃないかなと思います。

 何?「攻め手の豊富さと挑む感覚ならキャミーの方がいいだろ」って?じゃあマゾってことにしてくれていいです。でも一回試してみて欲しい。マゾの快感を。